ウグイスの親子のように 教会長
4月から名張にいる時間が圧倒的に長くなり、改めて名張の自然の豊かさを、視聴覚から感じるようになりました。
朝から昼にかけて、様々な野鳥の鳴き声を聞き、周囲の山々は黄緑色に光り、空気はやはり大阪よりも澄んでいるように思います。
最近、毎朝ウグイスの鳴き声が聞こえるようになりました。
澄んだ声で「ホーホケキョ!」(あの鳴き声を「ホーホケキョ」と最初に擬音化した人のセンスに拍手です)と繰り返し鳴いています。
しかし、よく聞いていると、「ホーホケキョ」と、きれいに鳴いた後、必ず「ホ、ホ、ホッケ」みたいな感じで、鳴き声が繰り返されます。私は「今の、へったくそな鳴き方やなあ。鳴くの、失敗したんかなぁ」と思っていました。しかし、それが何度も繰り返されるのです。そのとき、30年以上前に金光教学院で修行させていただいている時、「春頃、ウグイスの鳴き声をよく聞いていると、繰り返し聞こえる時があります。それは、親鳥が、自分の子に鳴き方を教えているのです。よく聞いていると、二度目に聞こえる鳴き声は、つたなく聞こえます」という話を、ある先生から聞かせていただいたことを思い出しました。
つたなく鳴いていたウグイスがいずれ親になり、また鳴き声を自分の子に教える。これが、ずっとずっと繰り返されているのです。ウグイスも、親に教えられたとおりに子鳥に教えていってくれているからこそ、いつまでも変わらぬ鳴き声で私たちを楽しませてくれています。
教祖様が教えられたことを、代々の先覚先師がたがわずに教えてこられ、私たちがそれをいただいて、たくさんのおかげを受けるけいこをさせていただいてきました。私たちの務めは、それを次世代にたがわずに伝えていくことではないでしょうか。いつの時代も変わらないウグイスの鳴き声のように、教祖様のみ教えが、代々にわたって伝えられ、多くの方が天地のはたらきにより、生かされて生きていることにお礼を申し上げる生活が日々続いて行くよう、私たちも「伝える」はたらきを実践してまいりたいと思います。
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